
こんにちは、海外駐在オヤジです。
私はこれまで3回転職活動をしています。うち1回は未遂。
それぞれ30歳、35歳、45歳の時です。
この記事は、私が40代半ばで転職活動をし、実際に複数社から内定をもらった時の話です。
結果として比較的短期間(3ヶ月程度)で3社からオファーをもらえたのですが、その時にどういうことに気を付け、どのような活動をしていたのか、お話しします。
多くの方は、40代となるとすでに転職が難しくなっていると思っていると思います。
実際そう簡単ではないですが、何もせずに諦めるよりも、まず動いてみることをおすすめします。
この記事はそんな方にきっと役立ちます。
- 40代、50代でもチャンスはある
- 重要なのは自分の市場価値を知ること
- 実際に使った転職サイトと転職エージェント
転職成功者の年齢推移
dodaが2021年2月に公開した、転職成功者の年齢推移のデータが非常に興味深いです。
これによると、2020年の転職者の平均年齢は32.0歳。年々平均年齢は上がってきています。

転職に成功した人に占める年齢別の比率は年々高くなっており、2020年の転職成功者のうち、35歳以上が占める割合は28.3%と、全体の4分の1以上になっています。
40歳以上の割合も15.5%と、数年前に比べるとどんどん上がってきています。
これは、企業が年齢による1次足切りを必ずしもしなくなってきたこと、また長年の経験をベースとしたより優秀な人材、高度な人材を採用したがる傾向にあることを示しています。

なぜ転職しようと思ったのか
実は、積極的に会社を変えたいわけではありませんでした。
当時40代半ばに差し掛かる頃で、キャリア的に、またその時の組織の所属年数など、ちょうど節目な時期でした。これから迎える40代後半、50代と、その後のサラリーマン人生を考えてみた時に、今後の自分のキャリアにどういう選択肢があるのか知りたかった、というのが一番の動機です。
40代前半の当時すでに年収1000万円は超えていましたし、生活や仕事環境にも大きな不満はありませんでした。また40代の転職はそんなに簡単ではないこともわかっていました。
が、色々考えた末にとりあえず動いてみることにしました。
何から始めたか
40代の自分の市場価値を知ること、から始めました。
どういうことかというと、転職サイトで求人を探すところからではなく、転職エージェントに会うことを優先しました。自分の職務経歴書を作成し、希望業界、職種や条件をまとめ、いくつかの転職エージェントサイトに登録しました。
ほどなくエージェントやスカウトから連絡があり、何人かと面談することになります。
並行して、友人に相談もしています。自分が狙っている業界やポジションに近い友人などに会い、業界の話や人材の流動状況などを教えてもらいました。また、この時に話した友人経由で、転職サイトには出ていないような求人情報を教えてもらえたりしました。
転職エージェントやヘッドハンターとの面会

連絡をもらったエージェントやヘッドハンターと面会しました。3~4人ぐらい会ったでしょうか。
エージェントは、転職エージェントサイトに所属しているパタンと、外部のエージェントのパタンがあります。
いずれの場合も、連絡をくれたエージェントと会ってまずはキャリア面談をします。エージェントは応募者の経歴や希望等を把握した上で、条件にマッチする求人を紹介してくれます。
どのエージェント、ヘッドハンターも、40代の転職の難しさについて話すものの、一様に決して無理ではないと言っていたのを良く覚えています。
徹底的なレジュメ見直し

私がまず行ったのは徹底的なレジュメの見直しです。
かなりエージェントにレビューしてもらいました。
特に40代、50代の転職者は、まず書類通過が最初の難関です。年齢というバイアスがかかっていますので、よほどの人材でないと中々会ってくれません。
しっかりと自身の経歴がアピールできており、かつ簡潔でわかりやすい職務経歴書が必須です。
実際私も、応募した企業のうちいくつかは書類選考で落とされています。
40代ともなればこれまで様々な経歴、経験をしているはずです。それらを事細かに全部書き出すだけでは、採用担当者の目を引きません。自分に何ができるのか、その企業にとってどこが魅力に感じるのか、しっかりとアピールすることが重要です。
応募企業の選定
エージェントやヘッドハンターと面談すると、すぐにいくつかの求人を紹介してもらえます。
もちろん、すべてに応募する必要はありません。条件などをよく見ながら応募する先を選定します。
ここで、自分の市場価値がわかります。
皆さんも気になりますよね?
自分は、果たしてどれぐらいの価値があるのだろうか。
今の年収に対し、どれぐらいアップ(もしくはダウン)の条件提示がされるのだろうか。
そもそも、自分が応募できるような求人があるのだろうか。
エージェントは当然、入社可能と思われる求人を紹介してきますが、これらが、エージェントが考えるあなたの市場価値になります。
思ったより年収が低く、現実を突きつけられてショックを受けるかもしれません。
逆に、驚くほどハイクラスなポジションや高年収の案件を紹介されるかもしれません。
もちろんエージェントによって違いますが、少なくとも何人もの転職者を見てきたエージェントがあなたを評価した結果ですので、まずは冷静に受け止めてください。
候補の絞り込み
この時、エージェントからの紹介だけでなく、並行して転職サイトで求人も調べました。
実際、40代という年齢条件だけで検索結果から外れる求人も多いです。
ですが、40代や50代でも応募可能な求人はそれなりにあります。
こちらで探した中でいくつか気になる求人がありましたので、エージェントに取り扱いがあるか聞き、もしその企業とコネクションがあるようでしたらエージェント経由での応募を依頼しました。
エージェントは、特定の企業の人事担当と太いコネクションを持っている場合があります。エージェントにパイプがある場合は、転職サイトから応募するよりもエージェント経由で応募した方が書類選考の通過確率が格段に上がります。気になる求人があればまずエージェントに聞いてみてください。
企業面接においては、納得いくまでとことん会話
無事書類選考を通過した場合、応募先企業と面談することになります。
私の場合は40代中盤だったこと、また比較的ハイクラスな求人への応募だったためか、人事担当レベルの面談ではなくいきなり役員や社長との面談というケースが多かったです。
ここで重視したのは、自分も納得いくまでとことん会話することです。
転職はあくまでもマッチングです。転職することで自分の目標が達成できるのか、今の環境から変えたいポイントが実現可能なのか。しっかり見極める必要があります。
リファレンスを取る
応募した会社すべてでリファレンスを取りました。
具体的には、恐らく自分と一緒に仕事をするであろう人と面会させてもらいました。
ある程度選考が進んでからの依頼でしたので、断られることはありませんでした。また、企業によっては社長面談の後、もう1度社長と会わせてもらったところもあります。
この場で、気になることは徹底的に聞き、また自分が入社した後のイメージを具体化することがとても重要です。
短期間で3社から内定

結果的に、3社からほぼ同時にオファーレターをもらいました。
外資系企業2社、日系上場企業1社です。
ちなみに、外資系企業のうち、1社は早々に辞退しました。理由のひとつが、リファレンスです。おそらく自分の部下になるであろうチームと面会させてもらったのですが、最近、多くの人材が流出していると聞きました。他にも色々と聞かせてもらったところかなり気になる点があり、結果としてこの企業を選びませんでした。
私がこの時使っていた転職サイトとエージェント
この時に実際に使っていた転職サイトと転職エージェントを紹介します。
いずれも、40代のミドルの転職、ハイクラス求人などを多く取り扱い、エージェントも非常に親身になって対応してくれました。
それぞれ特徴がありますので、複数のサイト、エージェントに登録しつつ、上手に使い分けるのがおすすめです。
リクルートダイレクトスカウト(旧CAREER CARVER)

公式サイト:https://directscout.recruit.co.jp/
リクルートダイレクトスカウトは、リクルート社が運営する、ハイクラス専門の転職エージェントです。旧称CAREER CARVER(キャリアカーバー)からブランド名を変更しました。
600名以上の外部のヘッドハンターと提携しており、レジュメを登録すると、ヘッドハンターからスカウトメールが届きます。
時間が無い時は要点を絞った簡単なレジュメだけ登録しておいても、興味を持ってくれたスカウトから連絡が入るので、まず登録してみても損は無いです。
求人検索もできますが、ヘッドハンターが持っている案件を紹介してもらうのがリクルートダイレクトスカウトでのおすすめです。
ビズリーチ

公式サイト:https://www.bizreach.jp/
ビズリーチ(BIZREACH)は会員登録数8万人を誇る、ハイクラス求人を取り扱う転職サイトの中では最大手です。
公開求人数も充実しており、幅広い業種、ポジションの求人を見つけることができます。年収2000万円を超えるようなエグゼクティブ求人も多く見られ、また海外勤務求人なども多く取り扱います。
履歴書や職務経歴書を登録すると、スカウトが届きます。スカウトは、企業からの直接スカウト、エージェントからのスカウト、両方あります。登録したレジュメはPDF形式で出力することもでき、便利です。
スカウトがあまりたくさん来るようでしたら、一旦非公開にしてスカウトメールを止めることもできますので、まずは登録して試してみることをおすすめします。
エンワールド

公式サイト:https://www.enworld.com/
エンワールドはグローバル企業に強みを持った転職エージェントです。海外にも拠点を持つファームで、大手外資系企業、日系グローバル企業の案件を中心に取り扱います。
エンワールドの特徴は求人の幅の広さ。20代の若手から50代のエグゼクティブクラスまで扱っています。
私は転職先に外資系企業が選択肢に入っていましたので、登録して使っていました。求人数は本当に多いと思います。外資系企業、グローバル企業への転職を考えている方は登録しておいて損はないです。
リクナビNEXT

公式サイト:https://next.rikunabi.com/
リクナビNEXTは転職サイトの最大手です。リクルート社が運営しています。
求人数がとにかく多く、ここにしか求人を出していない企業も多くあるようです。私は、エージェントへの相談と並行して、求人情報を検索するのに使いました。但し、結果としてこの時はあまり年齢層の高い求人は多く取り扱っていませんでした。
検索条件がかなり細かく設定できるので、自分の条件にぴったりの求人情報を探すことができます。
なお、スカウト登録しておくとオファーを受けられるサービスもあるので、併用するのがおすすめです。
doda(デューダ)

公式サイト:https://doda.jp/
doda(デューダ)はパーソナルキャリア社が運営する転職サイトです。求人数の多さもさることながら、年収査定、合格診断や、経歴書の作成を支援してくれるレジュメビルダーなど、公式サイト上で提供しているツール類が充実しています。
また、転職サイトでありながら、エージェントサービス、スカウトサービスもありますので、ここに会員登録しておいてそれぞれのサービスを併用するのがおすすめです。
40代の転職者へのアドバイス
実際に自分が転職活動をしてみて、以下の点をアドバイスとしてお伝えしたいです。
主には40代の方へのアドバイスですが、20代、30代の若い方にも当てはまるところはあると思います。
一番のアドバイスは、年齢を理由に何も動かないのではなく、まず動いてみることです。
まず自分の価値を正しく知る
自分がニーズのある人材なのかどうか、ということが重要です。年収だけが価値基準ではありません。
40代、50代のミドルの方は、これまで積み重ねてきたものがあるので、当然自信もあると思います。
しかし、特にミドルの転職では、応募者側の押し売りでは絶対に合格しないです。
自分のやってきたことは当然アピールしますが、採用企業が応募者に何を求めているのか、それを自分は提供できるのか。市場ニーズと照らして自分の価値をしっかり把握することが大切です。
信頼できるエージェントを見つける
特に40代、50代の転職は、エージェント経由での応募を強く推奨します。
エージェントは百戦錬磨です。あなたの人となりを見極め、推薦状を添えて企業に応募してくれます。また特定の企業の人事担当とコネクションを持っていることも多く、求人サイトや企業のホームページからの応募では面談に至らないことも多い中、いきなり役員クラスの面談からスタートできることもあります。
できれば40代、50代のミドルの方の転職を多く取り扱っているエージェントに出会うのがベストです。自分が信頼できるエージェントに出会えるかどうかが、40代の転職の成否を決めると言っても過言ではありません。転職エージェントサイトであなたの担当になったエージェントがちょっと頼りない場合、お願いして変えてもらうことも可能ですし、そうすべきだと思います。
転職エージェントサイトによっては提携しているエージェントやスカウトを検索してこちらからコンタクトを取れるものもあるので、活用してみてください。
書類選考を突破することに全力を注ぐ
40代、50代の転職では、書類選考の突破が一番の難関です。
採用企業側は年齢バイアスがかかった状態でまず応募者を評価しますので、レジュメを見てこの人なら会ってみようかと思わせる必要があります。
ミドルの転職にはエージェント経由をおすすめする理由のひとつが、徹底的に応募書類のレビューをしてもらえること。一般的な書き方の観点だけでなく、この企業のこのポジションに応募するならここを強調した方がいいとか、具体的なアドバイスがもらえます。
ちなみに私の場合、応募先によって職務経歴書を変えています。
その企業が恐らく興味を持つであろう内容を強調したり、特定の職歴について詳しく記載したり、応募先ごとに書類を作り直しました。
数を打たない
あまり多くの求人に応募するのはおすすめしません。
下手な鉄砲・・・の考えもあるでしょうが、いま失業していてとにかく何でもいいから仕事が必要だという人以外は、数社に絞ってじっくりと選考を進めた方がいいです。
40代の転職の方は、当然ながら正社員、かつ管理職や役員クラスの求人を探していると思います。ハイクラスであればあるほど、選考や面談が非常にディープなものになってきます。準備に時間をかけるなどし、一つ一つをしっかりとこなしていくのが良いと思います。